おつかれさまです、やまたろうです(^^)
私、美術館が大好きなんです。
せっかくなので、今後は出かけてみた美術館や、展示内容について書いていきたいと思います。
行ってみたいなー、気になるなーと思ってくれたら最高です(^^)
美術館はワクワク楽しいアドベンチャーワールドであり、自己と対話できるカウンセリング室であり、色彩・形状・空間のセンスを鍛えるお稽古教室でもあります(*^^*)お得です!
数回に一回は、お買い物を美術館へと予定変更してみてはいかがでしょう。
※私のレポはえてして会期終盤もしくは終わってからのアップになりことがほとんどだと思います(-_-;)現在およびこれからの展示内容は、各美術館の公式サイトで確認されることをお勧めします。
福岡県立美術館へ行きました
先日、「福岡県立美術館」に行ってきました!
正直、前回行ったのは何年前か覚えていないくらいの昔…
私のアンテナが短く、引っかかる展示がここ最近なかったのが理由。というかあんまりチェックしなくなってた。
ここは地域密着型というか、グループ展や卒展、公募展が多く、企画展を好む私はどうしても後回しにしがち。
でも、今回、たまたま、気になっていた作家さんの企画展があると知りました!
昔、職場の人が画集を持っていて、その絵に一瞬で吸い込まれました…その強烈な印象が、今回の展示を知るように、引き寄せたのかしら?
高島野十郎とは
心に残った作品
今回、断言しますが、ほとんどの作品に感動しました。
私は油彩画より日本画が好きで、静物<風景<人物(動物)が好きなのですが、野十郎の作品は、ほとんどは静物・風景であり、それがどれももんのすごくよかったのです。徹底した写実描写でありながら、「静か」で「神々しい」ような感じ、描かれている以上のものが何かこう「シーン」とした空気の向こう側から、訴えてくるような(あー、うまく言えない)…。とにかくすべて見ごたえがありましたが、全部書くととんでもないことになりそうなので、その中でも3つに絞って感想を書きます。
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降りしきる「雪」「雨」の描写
「積る」という作品。33.5×45.8という、大きくはない作品ですが、とにかく雪の降る様子に圧倒されます。画面はほぼ白く、木や家が小さく描かれています。あとは圧倒的な雪雪雪。私はあまり雪の降らない地域にしか住んだことがないのですが、雪国出身の方は、より「ぐっ」とくる絵ではないかなと思います。
「雨 法隆寺塔」という作品。隣に全く同じ構図の、雨の降っていない絵が展示してあり、その展示の仕方で一層「雨」のインパクトが大きくなる作品。「ざーーーーーーー」という音が聞こえてきそうなくらい降りしきってます。最初遠くから観たとき、「状態が悪いのかな?」と思ったんですが、近づいてみて、それが画面いっぱいの雨で埋め尽くされている絵だとわかった瞬間鳥肌が立ちました。
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静物の恐るべき描写、特に「林檎」
野十郎は、いったい生涯のどのくらいの時間を、リンゴの観察に費やしたのでしょうか…
「静物」の展示の中でも繰り返し描かれる林檎。
もちろん他にも様々な静物が描かれていて、どれも息をのむほどリアリティが有り、特に「葡萄」はそのみずみずしさや実の張り具合にテンションあがりました。
でも、やっぱり林檎は群を抜いて迫るものがありました。もう、そこにあって、手に取れるんじゃないかというくらいの存在感。野十郎は自画像にも林檎を登場させていますが、何か林檎に対して特別な思いがあったのでは、と思いました。林檎って、デッサンの基本だからごまかしがきかないんですよね。私も林檎デッサンしなきゃな…
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月、太陽、蝋燭
今回の展示室は第1会場・第2会場に分けられていて、第2会場は「月・太陽・蝋燭」のみの展示内容。
野十郎といえば「蝋燭」と言われるくらい。私が職場の人に見せてもらって強烈に引き込まれたものこの「蝋燭」の絵でした。今回、一室まるまる「蝋燭」だけの展示があったのですが、ほの暗い空間づくりと相まって、引き込まれたら何時間でもぼおっと見つめてしまうような、思考を奪われるような感覚になりました。サムホールサイズのキャンバスに、和ろうそくが1本。なんという削ぎ落された画面。でも燃える炎が、暖かいような、妖しいような、しびれるような。一枚でも強烈なインパクトがありますが、それが一堂に会した展示会場、ぜひ近くの人は足を運んでみてほしいです。
私は旦那さんと観に行ったのですが、実はその日、朝ちょっともやもやすることがあって、旦那さんは展示を観ている間もずっとそのことが頭から離れなかったそうです(後から聞いた)。でも、ある絵画の前で思わず引き込まれ、その瞬間頭が真っ白になったそうです。それが「太陽」。すべてを白く覆うような強烈な光に、旦那さんのもやもやもたじろいたのでしょうか。絵画なんだけど、まぶしすぎて思わず目を背けるような強烈な光を感じました。
その「太陽」と同じ部屋にあり、最後に観た「月」。これが、よかった。言葉にできないほど、よかったのです。最初の絵は、月のほかに風景も描かれている絵がありましたが、だんだん、月と枝葉だけになり、月と雲だけになり、とうとう月だけが画面に浮かんでいるようになる。濃紺と白。四角い画面に、月だけ。ミニマル!でも、自分が月を見上げた過去の記憶とリンクして、その時のまわりの情景がよみがえってくるようでした。
お土産に買ったポストカード。
生き様のかっこよさ
美術館での展示は、作品のみならず、作者の経歴や人物像、各作品に対する解説などがあるのも魅力です。
昔は「作品」にしか興味がなかったのですが、歳をとるにつれて、その作品が描かれた背景や作者の思いに惹かれるようになってきました。
野十郎は東大農学部水産学科を首席で卒業したにもかかわらず、絵画の道へと進みます。さらに、美術団体に属さず、家族を持たず、流行に流されず自らの絵画を追求したそうです。展示物には手紙や遺稿ノートがあって、その中でもしびれた言葉がこちら。
「世の画壇と全く無縁になることが、小生の研究と精進です」
※ちなみに、この展覧会に出展されている作品のほとんどが「個人蔵」!!!
個人で大事に所有されてるんですね~。そのため、こんなに野十郎の作品が一堂に会すことって、めったにない貴重な機会なのでは???1/31までなので、気になる方はお早めに!
私が考える、「こんな人にオススメ」
・リアルな絵が好きで、超絶技巧に酔いしれたい人
・日々につかれて、静かに癒されたい人
・何かに打ち込んでいる、またはこれから何かに挑戦したい人
・会社や組織で人付き合いにもがきつつ頑張ってるサラリーマン
なんだか熱く語りすぎて長い記事になってしまいました(;'∀')
また機会があったら、語ります~~
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