いっぽいっぽ日記

いっぽいっぽ日記

日々シンプルに心地よく過ごすために、やってみたこと、思ったこと。

認知症の服問題

本日も介護関係の記事になります。
今泊まり込み介護しているお母さんは、認知症になる前からこだわりの強い方で、認知症になってから着るものに苦労しました。

認知症初期

デイケアへの通所が決まって、洋服をそろえようと、家族であちこち買い物に連れて行きました。
「デパートでしか買わない」と言い張っていたのでデパートに連れて行くと、結局何も選べずに変えないということが何度もありました。
デパート以外にショッピングモールやユニクロなどにも一緒に行くのですが、あらゆるものに文句があるようで何も買ってくれません。
いつも付き添うことができないので、普段はお父さんと二人でデパートに行っていたようですが、その時も結局服は選ぶことができず、それどころか繁華街の真ん中でしゃがみこんでしまい「水がほしい」と言って、お父さんが急いで水を買ってきて飲ませたり、「疲れた」といってベンチから動かなくなったりして、お父さんも苦労したようでした。
仕方がないので、こだわりの強いお母さんでも着てくれそうなものを相当悩んで買ってあげたりしました。
その時はもらってくれるのですが、私が選んだものを着てくれたことは結局一度もありませんでした。
唯一、このころにプレゼントした靴だけは、今も変わらず履いてくれています。楽に履けるような、スニーカーに見えて横にチャックがついているものを選びました。(ただ、認知症が進んだ今ではチャックの上げ下げがわかりませんので、そろそろもっと簡単に履ける靴をと考えていますが…たぶん、これしか履いてくれなさそう。)
母の日に送ったお財布も、似合いそうだからと選んだかわいい白いカーディガンも、家族で選んで一式コーディネートしたデパートの服も、今ではどこにあるかもわかりません。結局使われることはありませんでした。

認知症中期

自分のなじみのもの、着心地のいいもの、着方の分かるものしか着ないことが分かったので、無駄に衣類を買うことはなくなりました。
結果、ボロボロ・ヨレヨレ・季節外れ・いつも同じ上着、等、見た目は悪くなっていきました。
最初は、「デイケアで変に思われたりしないのか」「お母さんに新しい衣類を与えないと虐待になるのではないか」と心配しましたが、デイケアの方からは何も言われませんでした。
また、私自身の「身内がこんなにヨレヨレのものを着ているのが恥ずかしい」という気持ちがあったのだと思います。
結局、見た目がどうであれ、お母さんがストレスなく通所できるならヨレヨレでもいいや、と考えるようになりました。
どうみられるかではなく本人が心地よくあるかどうか。
それを考えることができるようになり、私の中のお母さんへ接する指針みたいなものになりました。
でも靴下だけは見過ごせなくて、肌触りの良い好みそうなものを買ったのですが、やっぱり履いてくれなくなって、そのうちどこに行ったか分からなくなりました。こういうことがあると、本人のせいではないのはわかっているんですが、つらいです。
服もいよいよどこに何があるかわからない状態になりました。頻繁に入れ替えを行っているようで、新しめの服はことごとくどこかへ消えていきました。もうほんとにどこを探しても出てこない。逆にすごい。お母さんはものを絶対に捨てないので、どこかにあるはずなんですが…

認知症後期

「初期・中期・後期」と区切って書いていますが、お母さんだけの進行具合を今まで振り返るうえで便宜的に使っています。
一般的なものではありませんのでご注意を。この先もっと悪くなるでしょうしね。

最近は、着たのか着ていないのかわからない服が一塊になって、部屋の隅に置かれていることが多いです。
いつもお母さんはそこにいるので、なかなか選別や把握ができなかったのですが、今回のお父さんの入院で、お母さんの不在時にそのゾーンの服を確認することができました。
最近着ているものかどうかもわかりませんが、そのほとんどは夏物と、絶対着てないであろう花柄のワンピ、まだ着るには早すぎるタートルネックや毛糸のセーターなどがごちゃ混ぜになっていました。すがすがしいほど、今この時期に着るものが見当たりません。

タンスを全部開けてみても、入っている服のほとんどは、到底着ているものとは思えない物ばかり。
中もいろんなものが混在していました。

毎日のデイケアに着て行くものも、私が把握できる間は毎日着替えさせて洗濯したいので、着ることができそうなものを探し出しました。
靴下も、たぶん10日くらいは同じものを履いてそうな感じだったので、他のを探したのですが、全部、ゴムがダメになったり穴が開いていたり薄かったり汚れていたり…お母さん、よく見ると左右で違う靴下を履いているし。よく似た色柄、片っぽは5本指ソックスを指を通さず無理やり履いている状態(笑)。
5本指は無理だろうと思って、暖かそうな靴下を進めるのですが、ごわごわして靴が履きにくいので履いてくれません。

旦那さんのお姉さんがいるのですが、お姉さんがお母さんの服を勝手に整理すると、「モノ盗られ妄想」が起きるため、嫌だと言っていました。
でも、今お母さんの世話をしているのは私ですから、今までは触れずにいましたが、この際と思って、お母さんがいない時に、靴下で使えないものをだいぶ捨てて(いきなりスカスカにするとダメかなと思って、適度に残しつつ)、代わりに今お母さんが履いているものと似た色柄の靴下を4足買ってきて、タンスに入れてみました。
捨てた靴下は、「モノ盗られ妄想」が起こった場合に速やかに戻そうと思って一応別の場所に保管していましたが、お母さんが返ってきて引出しを開けても、なんにも言われませんでした。やった!成功!
靴下の入れ替えが成功しました。
すごくうれしい~~~

次の日も、それとなく新しい靴下と、着てほしい服一式をそれとなく枕元に置いておいたら、それを翌日着ていたので、着替えも成功。
何で出したか不明の下着が散らばってたけど、今までの服塚からしたらかわいいものです。

服塚を撤去し、次の日着てほしい服一式を出して置いたら、次の日着てくれることがわかりました。
今は、こだわりもあいまいになって、たぶん、何をどう着ていいかわからなくなっているのだと思います。だからいろんな服を引っ張り出してあったのかなと。

これまで、お母さんのものを勝手に捨てたり整理することは、私がやってはいけないことだと思っていました。でも、お母さんにとって、不要な服がなく、必要な似たような服だけが明確に用意してある方が楽だと思われます。
これから、お母さんがいる部屋の衣類を徐々に入れ替えていきたいと強く思います。
普段、洋服を管理するのはお父さんですが、お父さんはお母さんのものは整理整頓しないので、お母さんが手に取りやすく何を着ても大丈夫なように、その場にあるものを季節ごとに調整しておくのが私の役割かなと思いました。
今までお姉さんにも遠慮していたけど、お母さんの洋服の現状は変わる気配がないので、やれる範囲で私もやろうと思います。
今、お母さんが快適に着られる服が圧倒的に足りないので、私としては、パジャマをもう1着…肌着も新しいものを追加して汚れてるものは捨てて…長袖で同じようなものを数枚買って…と、色々やりたいことがあるのですが、旦那さんは「そんなにいきなり全部をせんでもいいよ、お金だってうちが手出ししたらいかん」って言います。
確かにうちも全然金銭的余裕は無いので(笑)そんなにいいものをたくさんは買えないけど、お母さんはお金のことはわからないし、お父さんにも言い出せないし…

なんだかいろいろなことに配慮しながらなので、洋服の問題も難しいです。

あーでも、私が買った靴下履いてくれてうれしいな。
本人はなんにもわかってないけど、いいんです。




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