いっぽいっぽ日記

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日々シンプルに心地よく過ごすために、やってみたこと、思ったこと。

「この世界の片隅に」を観て考えた3つの事

こんにちは、やまたろうです。

映画「この世界の片隅に」を観ました。
なるべくネタバレの無いように、映画を見て考えたことを書きます。

konosekai.jp

居場所を持つこと

居場所は与えられるものではなく自分で作っていくものだと感じました。
人と人との結びつきは、切るも結ぶも自分で決めやすくなった時代ですが、自分の居場所を持つこと=人との縁を結ぶことだと感じて、だれかとの結びつきなしには自分の居場所を作ることは難しいと感じました。

最近では、精神的に多拠点、様々な場所に自分の居場所を作ることが「精神的リスクの分散」なのかしらと思って、色々なコミュニティに属することも必要なのかな~と考えていたんですが、この映画を見て、ひとつの居場所での深いつながりの大切さを再確認しました。

「ひとつがなくなっても他にあるから大丈夫」、という考えは、多拠点という「同時期のリスク分散」の視点ではなく、「たとえ密接に深く分かり合えた場所が失われてしまっても、また一から関係を築いていくことができる場所が未来にもきっとある」という「未来への確信」へと置き換えることができて、私の中でとてもしっくりきました。
例え大事な場所が失われたとしても、必ずその後を孤独に生きねばならない・誰とも分かり合えるはずがない ということはないのです。自分自身を解放してさえいれば、その時その時に、必ず自分の居場所はできるのだと思いました。

どんな傷も時間が包んでくれる

誰しも過去に心に傷を負ったことがあるはずで、いつまでも消えない痛みを引きずっている人もいると思います。
そんな傷に対して時間は最高の癒しだと思いました。
時がたてばどんなに深い心の傷も少しづつ遠くなっていく。
ずーっと100%その時の痛みを引きずらないでいられるのは、時間があるおかげ。
時間はほっとけば流れてくれて、いいことも悪いことも過去に流し去ってくれる。
流れる水のように、どんな時でも絶えず透明な時間が流れてくれるおかげで、私は生きていけるのだと思います。
私の状態に関係なく時間が過ぎ去ることの尊さ・ありがたさを感じました。

どんな状況でも生活は続いていくし、生活するだけで素晴らしい

わたしは戦争を題材とした作品がとても苦手です。
きちんと考えなければと思うのですが、人が死んでいくこと、物語はフィクションだったとしても、戦争は実際に起こったことなので、作中の出来事に耐えられなくなるのです。
この映画は戦時中という、特殊な状況での暮らしが描かれていますが、戦争がいい、悪いではなく、その中で一人の女性が生活をすることそのものを丁寧に描いている作品だと思います。
だから、私も観る勇気が持てました。

話を戻しますが、私の生きているこの瞬間は、どんな状況でも、その場所や時間をどこか別のものに置き換えることはできません。
食べ物が無くても、逆に安く大量に出回っていても、その中で必要な栄養を確保し適切に摂取するためには、食べることにきちんと向き合い、頭を使わねばなりません。そうしないと、食べ物が足りなくなったり、体にとって必要以上の栄養をとってしまって、体のバランスを失ってしまいます。
ものがあってもなくても、寒くても暑くても、元気でも風邪気味でも、大切なものがあってもなくなっても、自分が死なない限り生活は続いていきます。今いる環境の中でできることを工夫して生活するしかないのです。
もしかしたら、愛する人が、安らげる家が、苦労して稼いだお金が、築いた地位が、生きがいである仕事が、健康な体が、明日なくなるかもしれない。それでも生活は続いていく。それでも人は生きていく。
それがとても素晴らしいことだと、この映画を観て気づきました。
前項ともかぶるのですが、生活を続けること自体に癒しの効果があると思います。一生懸命生活をすることは実はとても頭を使うことです。体も動かします。体が不調な日だって一生懸命呼吸をします。おなかが減って食べ物を食べます。
生活するだけで、毎日たくさんのことを行っています。普段意識していないけれど、体の動きをひとつひとつ書きだしていくと膨大な作業の上に生活が成り立っていることがわかります。
そうやって、色々な問題をクリアして生活していること自体がとても素晴らしくて大切なことなんだ。
そんなあたりまえだけど素晴らしい「生活」のことを思い出させてくれました。

以上、とりとめもなく考えたことでした。





★以下少々ネタバレ!!!★










余談ですが、私と一緒に観に行った旦那さんは泣き所が全然違って興味深かったです。
わたしは物語のオープニングソングが流れだしたとたん、すでに涙がボロボロ出ていましたがいまだに何でかわかりません。
物語のほとんどを泣きながら見ていましたが、玉音放送のあとが一番泣いたかもしれません。
旦那さんはほとんど泣かなかったそうなのですが、最後の最後の最後で3人が同じ柄の服を着ている絵で涙腺崩壊。私はその絵を見ても泣きませんでした。
旦那さんは、主人公のすずさんのトロいところと絵を描くのが好きなところが私に似ているな~と思って、すずさんがお嫁に来た翌朝早くから働かされている(と旦那は感じたらしい)ところを観て、私と重なって非常につらかったそうですが、私はすずさんのように働き者ではありません(笑)

のん(能年玲奈)ちゃんの演技もすごかったです。ひきこまれました。
一度しか見ていないので風景や人物の細かな描写まで気を配る余裕がありませんでした。作画もとても素敵だったので、いつかもう一度観てみたいです。
泣いた、泣いたばかり言っていて悲痛な映画だと思われそうですが、笑いどころもたくさんあり素敵な作品です。
ぜひ劇場で観ることをお勧めします。
観終わった後の観客の空気が、他の映画とは違うと思いますよ。ぜひ体験してください。

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