いっぽいっぽ日記

いっぽいっぽ日記

日々シンプルに心地よく過ごすために、やってみたこと、思ったこと。

奇妙なのに住みたくなる街と、リアリティを持った哲学的な読書体験「吹上奇譚 第三話 ざしきわらし」

なぜか秋になると思いだし、読んでいる本、吉本ばなな「吹上奇譚」シリーズ。
第一話、第二話の感想はコチラ↓
yamayamaring.hatenablog.jp

今回も、秋の終わりにピッタリな、切なく悲しく甘く愛しい、読書体験をいただきました。
ホラー小説なんだけど、ホラー要素はちょっぴりで、私の中では哲学ファンタジーです。

フィクションなんだけど、今の生き方をみつめなおさせるような、ハッとする言葉が多く出てくるのがこのシリーズの特徴かなと思います。
今回も記録しておきたい言葉がたくさん。
以下具体的な内容には触れていませんが、軽くネタバレになるかもしれません。

・自分は鼻歌を歌いながらしているようなことが、人を救う。なんてすばらしい、最高だ。

・人と話すって、悪くないですね。自分たちのしていた仕事の良さが今、初めて本当にわかりました。人というものは、人に聞いてもらうことで、自分を見つけるんですね。

・世界中のあらゆるところに、ここまではっきりとではなくても歴史が刻まれている。教科書に載ったらたった一行くらいになってしまうが、それに翻弄されて生きたり死んだりした人たちがたくさんいる。今現在はその力の中心はお金に置き換えられ、バーチャルなものに変わりつつあるが、かつては力=国土だったのだから。

★1・世界には多様な考えがあり正解はないとしたら、できることは自分のモラルとそれに沿った生に感謝して生き抜くだけだなと

・そのまま生きていてほしい、それだけでいい。(中略)そして彼女の人生が少しずつ変わっていくかもしれない。そこに期待は全くせず、特に彼女を好きとさえ思わず、当然のようにただいることだけが肝心だ。(中略)こういうのを愛っていうんだろうと思う。つかず離れず優しくもせず心もこめず、ただここにいる。

・おまけの人生だと思うと、すごく安心するのよ、私。(中略)今日をどう過ごしても、おまけの中の感覚だから、自由だなって思う。

・ 家も自分の体も時間も、みんななにかから借りてるんだよ。だから、それをありがたいなとだけ思ってもらっといて、今、目の前にあることじゃないことを考え過ぎなければ、人って変なことにはならないんじゃないかな。

★2・時間を超えて安らぎが届くといい。それはありうることだと思った。時間はただ流れているものではなく、つながったり前後がずれたり変わったり、無数のあり方があるように思う。

引用元:吹上奇譚 第三話 ざしきわらし | 株式会社 幻冬舎

特に★1と2は最も強く刺さった文章。

★1:多様な価値観にあふれていて、誰かの価値観にも社会の価値観にも正解が見いだせず、かといって自分の価値観なんてこの年になっても全然わからない私は、「自分のモラルとそれに沿った生に感謝」これがズドンと落ちてきましたね。
モラルっていうのも考えだすと難しいんだけど、なんか本能的に「それはしたらアカンやろ」って思う瞬間、それに従って生きることは実は苦しくなく一番楽に生きられるかもしれないと思います。
あと「それはしたらアカンやろ」って逃げ出せる環境があることにも感謝ですね…日本以外じゃそれすらままならないことを最近の世界のニュースを見ているととても感じます。

★2:これはもう「大豆田とわ子と3人の元夫」にドハマりしていた人なら共感しまくると思いますが、私はかなりハマっていたのでぶるっと震えました。
時間というのは一方向に流れているわけじゃなくって、あの笑っていた瞬間の過去の出来事は今でも存在しているし、あの時つらかった自分や誰かを今からでも抱きしめに行くことができると思うんですよね。泣きそう。
ちょうど友達とのLINEで小学校の時の先生の話から自分の小学校時代の苦痛だったことの話になったんですけど、「ほんとにいやだったね、つらかったね」って自分を抱きしめにいきたくなってしまいました。大人になって子供の頃の自分を振り返って癒す療法があるけど、こんな気持ちかなって思いました。

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食べ物が美味しそうな本3選

最近また小説やマンガに手が伸びるようになってきました。

久々に創作された物語を読んで気づいたことがあります。
「食べ物がおいしそうな物語が好き」ということ。

料理漫画ではないです。
なんていうか、料理がそこそこ重要なシーンを占めていて、
日常の生活として描写されたそれが生き生きと脳裏に浮かび、あー自分でもなにか作って食べたいな。
食べると胃の中があったかくなるんだろうな。
生きる力が湧いてくるんだろうな。
そう思うような物語。

「食べ物がおいしそうな物語が好き」って観点で本を選んだことはなかったのですが、今思い返して、そういう点で記憶に残っている本3選。

3位 野田サトルゴールデンカムイ


莫大な埋蔵金を巡る生存競争サバイバル!!
舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期。
日露戦争という死線を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元は、 ある目的の為に大金を欲していた…。
一攫千金を目指しゴールドラッシュに湧いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、 網走監獄の死刑囚達が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった!!?
雄大で圧倒的な大自然! VS凶悪な死刑囚!!
そして、純真無垢なアイヌの少女・アシリパとの出逢い!!!
莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開けるッ!!!!
引用元:ゴールデンカムイ公式サイト│スペシャル

アイヌアシリパちゃんたちが作る料理は馴染みのないものばかりだけど、生命をあますことなくいただいている感じが非常にグッときます。
栽培や養殖・畜産とは違い、自然の中から必要なだけを必要な時にいただく、ということがとても「今っぽい」。
チタタプ、食べてみたい…
後に挙げる2冊とは趣が違うけれど、野性味あふれる食事に私もなにか食材を思いっきりワイルドに調理して味わいたい!という気持ちになります。
大勢で食事をとる際、みんなの様子が1枚の絵画のように1画面に描かれている時があるのも楽しいです。

2位 瀬尾まいこ 「そして、バトンは渡された」


私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。
高校二年生の森宮優子。
生まれた時は水戸優子だった。その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。
名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。
継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。
「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。
引用元:本屋大賞受賞!『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ・著 私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。 | 特設サイト - 文藝春秋BOOKS

継父である森宮さんの作る料理が最高にあたたかい。
優子ちゃんの始業式、学校でうまくいかないとき、受験勉強…
森宮さんがその時々に作る家庭料理は、ちょっとズレているけど愛情深くてほほえましいです。
家庭料理だけじゃなく、お互いにお土産として買ってくるお菓子や、定食屋、ラーメン屋、森宮さんと優子ちゃんが一緒にいるときの食事はいつもおいしそうです。
ちょいネタバレになるんだけど、食事にまつわる冒頭の描写が最後の最後に回収されてスッキリ…!
森宮さんに限らず、優子ちゃんの周りの親や大人たちの提供する食べ物はどれもあたたかいものばかり。
普段手を抜きがちな夫への食事をちょっとは改めようと思った次第です…。
食事に関する嗜好の一致って、ほんとに大事だと感じました。

子供のいる人は、もれなく大号泣すると思います。

もうすぐ映画化されるんですね!
映画『そして、バトンは渡された』オフィシャルサイト | 10月29日(金)公開

1位 吉本ばなな 「キッチン」

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私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う──祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。〈吉本ばなな〉のすべてはここから始まった。
引用元:吉本ばなな 『キッチン』 | 新潮社

もう20年ほど前に読んだ作品ですがいまだに強烈な印象を残しているのがこの「キッチン」。
まだ、これを超える「食べ物小説」は無いかもしれないです。
食べ物の描写から「におい」が立ち上るくらいの表現が見事です。
あと、タイトルの「キッチン(台所)」の音や風景もいいですね。
何を書いてもネタバレになりそうで何も書けないけど…あの台所の「音」に関するシーンは忘れられませんね。誰でも一度は経験あるのでは?普段意識しないのに、気になったとたんにずっと聞こえる「あの音」。
そして夜中に届けようとされる2話目の「あの料理」は最高においしそう…!!

…そしてなんと!なんとなんと!!これを書いている次の日(2021年9月10日)に、「ムーンライト・シャドウ」(キッチンに収録されている3話目)が、映画公開されるって知りました~!

映画「ムーンライト・シャドウ」公式サイト
2位にあげた瀬尾まいこさんの作品に続きムーンライト・シャドウまで公開予定なんてびっくりです。
コロナがなかったら観に行くのに…!


以上、私の読んだ本の中で「食べ物がおいしそうな本」3選でした。
これからもたくさん本を読んで、おいしそうな食べ物とそれにまつわる物語を楽しみたいと思います。


番外編:村上春樹の小説も食事の描写が印象的ですね、私は自分とかけ離れすぎていて 何か思わず笑っちゃうんですが…


何でもない日の贈り物が届いて、とてもうれしかった。

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ふだんから何気ないラインのやり取りをする友達がいます。
その友達から突然贈り物が届きました。

その子はイタリアが大好きで、その日届いたものは、題して「イタリアかぶれセット」。

フジッリ(ショートパスタ)、ジェノベーゼソース、ワイン、その子がデートしたときのお土産クッキー、絵葉書が入っていました。
何の記念日でもないのに突然届いた贈り物にとってもびっくりしたし、すごくうれしかったです。

何でもない日に届いた、と書きましたが、その日は特別な日でした。
私と友達にしかわからない、特別な日でした。

私はその贈り物が届く前日まで、ちょっと気分が落ち込む用事で数日家を空けており。
また、このご時世なので、その用事以外は極力外出せず滞在先のホテルに閉じこもっていて。
そういった予定があることを、この友人に告げていました。
友人は、私が自宅に疲れ果てて帰ってくることや、せっかくの休日を楽しく過ごすわけではないこと、そこから続くお盆休みも私が自粛してどこにも行かないことなどを想ってくれて、
ちょうど、私が疲れて帰ってきた日の翌日=とくに面白みのないお盆休み開始の日にあわせて、「イタリアかぶれセット」を贈ってくれたのでした…。
特別な日。私が一番落ち込んで疲れている日。それを察して、その日に贈ってくれたのでした。
その心遣いがありがたく、涙が出そうでした。
こんな心遣い、私はできないなあ。

気持ちが沈んでいて、今から始まるお盆休みも特に予定なくだらっと過ごそうと思っていたところ、「イタリアにかぶれる」という非日常を贈られたのです。
それだけで気持ちが晴れやかになりました。

こんな、カレンダー通りの何かの記念日じゃなく、心の揺らぎが起こる「特別な日」にあわせてアクションを起こしてくれるってすごいなと思いました。
なかなか真似はできないけど、こういうお付き合いって心に沁みます。私もこの気持ちを大事な人におすそ分けできるようになりたいと思いました。
さっそく、お中元代わりに、コロナで会えない数人の友達に、ちょっとした贈り物を送ってみました。
なんだか、送った私の方がうきうきしています。

FP3級資格試験に独学で合格したので、かかった時間と項目別難易度をまとめておきます

2021年5月にFP(ファイナンシャルプランナー)3級試験を受け、無事合格しました。

FP3級資格試験を受ける目的

私がFP3級試験を受ける目的は、「個人のマネーリテラシー向上のため」です。
お金に関して、今までアレルギーのように拒否反応があり、ほとんど何も勉強していませんでした。
しかし、我が家では私が主に家計を担っていて、その見直しもしたいし、40代を目前にして老後のライフプラン計画にも着手したい…
それに、何より今までは「お金のことをあれこれ考えるなんて、なんかアサマシイ」という気持ちがありましたが、
実はその逆で、しっかりと家族や自分を守るためには、きちんとお金のことを理解しておかなくてはいけない、という気持ちが勝ってきたからです。
ライフプランを考えるための1つのきっかけとして、今回勉強することを決めました。
そして、私は嫌いなことを自分だけできちんと勉強する自信がないので、自分を追い込むために、試験を受けることにしました。
完全に個人的な勉強のためですので、お金を払って受験する必要は必ずしもありません。
ですが結果的に、私は試験日が近くならないと全く勉強しなかったので、試験に申し込んでよかったです。

FP3級試験の概要と難易度について

ファイナンシャルプランナー(FP)とは、「お金」(年金・保険・株式や預貯金などの金融資産・税金・不動産・相続)の悩みに答える「お金の専門家」です。
国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能検定」には3級~1級があります。
3級は誰でも受験できます。
試験は年に3回(9月、翌年の1月・5月)行われ、各々の法令基準日は、9月→4/1、翌年の1・5月→前年の10/1 となります。
試験は「学科」「実技」からなり、「学科」は60問120分、「実技」は実施機関によって異なりますが、私は日本FP協会実施の試験を受けましたので、その場合 20問60分です。「学科」「実技」ともにマークシート方式で、各々6割以上の得点で合格となります。
3級FP技能士を取得するためには「学科」「実技」両方合格する必要があります。
3級の難易度について、私の受けた日本FP協会実施の試験の合格率は、2018~2019の6回平均で学科77%、実技82%と、約8割くらいの人が合格するようです。

FP3級試験のための勉強方法

TAC出版「みんなが欲しかった!FPの教科書」と、同シリーズの「問題集」の2冊のみ使用しました。



まず初めに各セクションごとに教科書を軽く読み、その後すぐにそのセクションに該当する問題集の問題を解く、という
シンプルな勉強法を行いました。
セクション別に教科書・問題集を一通り終えたら、特に難しかったセクションのみ復習。最後に問題集についている模擬試験を3回解いて、本番を迎えました。
今思えばよくこれだけで試験を受けたな…と思います、できれば問題集は2周したかったです。
あとは、試験日移動中、試験会場につくまで、FP3級の一問一答サイト(FP3級ドットコム 過去問道場https://fp3-siken.com/)を解いてました。

私は教科書と問題集のみ使って学習しましたが、今はわかりやすく解説してくれるYoutubeチャンネルがたくさんあるみたいです。
こちらも活用すればよかったなと後悔しています。
教科書だけではわからない部分もあったので。

FP3級試験のためのCHAPTER別勉強時間と私的難易度

上記のように、教科書+問題集のみでかかった勉強時間と、私が感じた章ごとの難易度は以下の通りです。
難易度は個人のライフスタイルに大きく左右されると思いますがご参考までに。 私個人のマネーリテラシーは低いとお考え下さい。既婚、持ち家なし、給与計算は会社まかせで、ふるさと納税と医療費控除は確定申告できる程度。

01.ライフプランニングと資金計画
学習時間:7h
難易度:1.5/3段階のうち

02.リスクマネジメント
学習時間:2.75h
難易度:2/3

03.金融資産運用
学習時間:4.25h
難易度:2.1/3

04.タックスプランニング
学習時間:3.25h
難易度:2/3

05.不動産
学習時間:2.5h
難易度:1.8/3

06.相続・事業継承
学習時間:1.5h
難易度:2/3

模擬試験問題(3回)
学習時間:2.25h

学習時間合計:23.5時間

これに加え、わからなかったセクションは復習をしていますが、時間は計測していません。 毎日3時間勉強すれば8日間でやってしまえる量です。
私は仕事のない休日にまとめて勉強しました。
5/23が試験日でしたが、5月の毎週末を数時間勉強に充てて、ギリギリ終わったな~という体感です。

各章の平均的な難易度は上記の通りですが、
各章の中でも、簡単なセクションと、難しいセクションが混在していました。
例えば、「01.ライフプランニングと資金計画」は平均難易度低めですが、
その中で「ライフプランニングの手法」セクションはキャッシュフロー表やバランスシート、終価係数などの係数を理解するのが大変でした。
社会保険」のセクションは、保険の種類が多く、各保険の年齢制限等も覚えるのが大変でした。

FP3級試験当日

会場へはモノレールで行ったのですが、乗っているのはほぼ受験生でした。
お昼ご飯は事前に買って持参。
飲み物は炭酸NGで、私は水を持っていきました。
事前の受験票に会場の決まり事が書いてあるのでよく読んでおきました。
電卓は四則演算ができれば十分です。
各試験問題には自分の選んだ回答番号を控えておきました。
コロナの影響で入場制限や退場のタイミング制限がありました。
会場によると思いますが、ご飯は自席で食べてOKでした。しかし昼休みの待機場所がほぼなかったので渡り廊下みたいなところに立って待ちました。
昼休みはかなり長いです…

試験が終わって、地元の最寄り駅のカフェで、ネットに出ている速報を見ながら自己採点しました。
この時点で、学科は安全圏、実技はギリギリ大丈夫かな、という感じでした。

FP3級試験を終えて

無事合格することができました。
合格することが目標ではなく、あくまで自分のために知識をつけるのが目的でしたが、やっぱり試験勉強となると細かいところまで覚える必要があり、終盤は試験のための勉強になってしまいました。
正直、FP3級を取得したからと言って、すぐにお金に関してプロになれるわけではないですし、勉強したことも、付け焼刃なのですぐに忘れてしまいます。
劇的に資産が増えたり、生活が変わるわけではありません。
それでも、お金のことを考えるハードルは確実に下がったので、勉強してよかったです。
(といっても、正直やっぱりお金のことを考えるのは嫌いですけど…)
肝心なのは、このままお金との距離を近づけ続けることかと思います。
お金に関する拒否反応を薄めつつ、アンテナを増やしてお金と気楽に付き合えるよう、無理せずやっていきたいです。
また、今回「試験に合格する」という目標は本当は必要なかったのですが、試験を受けて本当に良かったです。
社会人になり、同じ会社で勤続10年を超え、良くも悪くも惰性で何とかなってる日々。
新しいことを学び、その結果がはっきり目に見えて出ることを久しく体験していませんでした。
今回久々に「受験」したことで、学生の時以来のドキドキ感や充実感、「もっとやっておけば」という後悔を味わいました。
日常にいい刺激となりました。
これをきっかけに、久しく忘れていた挑戦する気持ちを思い出しました。このモチベーションを今後も維持していきたいです。
また、受験するよーと友達に宣言して、勉強中 自分事のように応援してくれたり、結果を一緒になって喜んでくれたり。
そういう暖かい気遣いにも救われましたし、誰かがこうやって応援してくれることのありがたさも感じました。
もし私の周りの誰かが同じように挑戦するとき、全力で並走しようと思いました。

以上、私がFP3級を受けた目的や勉強時間、勉強方法、当日の様子や受けた感想などをまとめました。
何かを学ぶって大変だけど楽しいです。
今度は簿記3級に挑戦しようかと思っています(コロナで受験どうなるかわかりませんが…)。
受験したら、また記録を残したいと思います。



「あやしい絵展」に行ってきました

先日、東京国立近代美術館で開催されている「あやしい絵展」に行ってきました。

ayashiie2021.jp

おめあては、フライヤーにも採用されている上村松園の「焔」。

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この企画展の会期自体は2021年3月23日から5月16日までですが、
この「焔」は3/23~4/4の短い間の限定公開でした。

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桜のきれいな時期にあたり、東京国立近代美術館から近い九段下の桜を遠巻きに観ることもできました。
石垣・桜・武道館の玉ねぎ。
観光した気分になり、なかなかよかったです。

東京国立近代美術館へは初めて行きました。
こちらも前の道路の桜が満開で、歩いている人も多かったです。
会場前には長蛇の列でした。
会場内も混雑していて、ざわざわしていました。
会場内には私がいつも行く企画展より若い人やカップルが多かった印象。
なんだかわかる気がします…私も大学生の頃いわゆる「エログロ」みたいなものに魅力を感じていたころがあります。
サロメをテーマにした小さな劇団の公演とかにも行っていました。
歳をとったからなのか、最近はめっきり遠のいて…というかどちらかというと「過多」に感じて、なかなか触れる機会がありませんでした。

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今回の企画展では、「この企画展だから観た」であろう装丁や挿絵・洋画などがたくさんあり、いい企画だったのだなと思います。
自分があまり普段なじみのない分野も、同じコンセプトのもとに集められることで幅広く鑑賞できて、いつもと違う感情を味わうことができました。
ビアズリーの挿絵も久々に観ましたし、ミュシャもあって(こちらも若いころ大好きでした)、「おなかいっぱい」な感じ。
すべてをじっくり見ると胃もたれしそうだったので、目当てのものを中心にぶらぶら観ました。

内容は大きく分けて3章からなる構成でした。

1章 プロローグ 激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)
2章 花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)
-1 愛そして苦悩-心の内をうたう
-2 神話への憧れ
-3 異界との境で
-4 表面的な「美」への抵抗
-5一途と狂気
3章 エピローグ 社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)

私が心に残った作品は、
上村松園
鏑木清方 妖魚
甲斐庄楠音 舞ふ
・岡本神草 拳を打てる三人の舞妓の習作
・北野恒富 道行
です。

上村松園については、これを目当てにしたので言わずもがな感動しました。
髪・着物・表情すべて完璧では…?
一緒に観ていた夫は「着物の藤は、あれムカデだよね?」って言っていて驚きました。
確かに、描かれているのは蜘蛛の巣と藤の花だけど、藤の花はまるでムカデが這っている様子みたいでぞっとしました。
夫の感性が少しうらやましくなりました(笑)
そのほか甲斐庄楠音の作品や「拳を打てる三人の舞妓の習作」を観ることができたのは大きな収穫でした。
一度見ると忘れられないようなインパクトのある作品ですが、実物を見るとその生々しい「気配」を感じるような気がしました。
また、「道行」という作品を初めて知り、そのかっこいい配置・配色にしばらく時間を忘れて観ていました。
鏑木清方の妖魚は、絶世の美女というわけではないけど、なんというか「ものすごい美人の顔」でした。
語弊を恐れずに言うと「男をだめにする女の顔」とでもいうか…
これは作品の写真より実物で観た方がより感じられると思います。

**
この企画展は限定公開や前後期の入れ替えが多く、実は今回私の興味のあった作品はほぼ4/4までの公開だったのですが、
とても面白い企画展なので、後期に行っても楽しいと思います。
後期には上村松園「花がたみ」も展示されますし!
東京国立近代美術館は皇居の近くで、美術館と散策を兼ねてお出かけするのにいい場所です。

東京国立近代美術館

深大寺でプチ散歩。観光を素直に楽しむことができるようになってきた。

コロナが流行して以来、お出かけはもっぱら美術館と寺社です。
今回は、かねてから行ってみたかった東京都調布市深大寺に行ってきました。

www.jindaiji.or.jp

まだ桜も咲いていない時期だったので人でごった返しているということはありませんでした。
しかし有名な観光地なので、にぎわっていました。

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今回の目的は、3つ。
深大寺の「降魔札」を授かること。
・「おみくじの元祖」でおみくじを引くこと。
・おそばを食べること。

観光を楽しむべくシンプルに王道を極めます。

深大寺の降魔札

テレビで何度か取り上げられているのを観て、ぜひ訪れてみたいと思っていた深大寺
調布駅からそう遠くない場所に、水の湧き出る緑豊かな深大寺があります。
そこでいただくことができる「降魔札」。
その昔、元三大師が鬼の姿となり疫病神を退散したときの姿とされ、魔除けのお札として知られているものです。
ご利益にもあやかりたいのですが…失礼ですがこのなんともユニークなお姿にとても魅力を感じ、せっかく東京にいるのだから、ぜひとも授かりたいと思っていました。

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札所でいただくことができました。
お札は「角大師(元三大師)」と「豆大師」のセットになっており、角大師を玄関の外に貼り、豆大師を室内に貼るのだそうです。

おみくじ

元三大師はおみくじの祖と呼ばれているそうです。
ぜひ深大寺でおみくじを引いてみたいと思っていました。
深大寺のおみくじは、他社より凶の割合が多いそうです。
私は小吉でした。

関東の神社では、よく、棒の入った箱を振って、1本だけ飛び出た棒に書いてある番号の引き出しからおみくじを取り出す形式のものに出会います。
九州に住んでいたとき、この形式のおみくじに出会ったことがなかったので、いまだに新鮮です。

(別の日に、渋谷の「代々木八幡」にお参りしてきました。ここでもおみくじを引いたら、大吉でした!
代々木八幡の奥にお稲荷様があるのですが、そこだけ空気がひんやりして異空間のようでした…)

おそば (と、その他いろいろ食べ歩き)

深大寺はお蕎麦が有名です。
普段麺類をなるべく食べないようにしていますが、せっかく来たので食べました。
「元祖 嶋田家」さんです。

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深大寺を出てすぐのところ、店内からは池が見渡せて落ち着きます。

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お蕎麦、久しぶりに食べましたが、のどごし最高で美味しかったです。

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深大寺の周りには、食べ歩きできる美味しいものがたくさん売ってます。

「そばパン」味が色々ありましたが、「高菜」を食べました。
そばの香りがしておいしい。
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お土産屋さん「鬼太郎茶屋」の隣で売っていた「じゃころっけ」。
揚げたてホクホク!!
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鬼太郎茶屋では、ゲゲゲの鬼太郎のグッズがたくさん売っていて、どれも可愛くて迷いました!
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今回は、旅の記念に、手ぬぐいを買いました。
これ、竹の節が、ところどころ「骨」になってるんです。かわいい!
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仕事部屋で、wifiルーターと会社用のVPN機器を壁面に張り付けているのが気になっていたので、それの目隠しにしようと思います。

深大寺京王線調布駅から行き、JR中央線三鷹駅から帰りました。
鉄オタではないけど、いろんな電車に乗るのが好きな私は、行き帰りの電車も楽しめました。

王道の観光、楽しい

若いころは、なんだか、王道の観光地で王道のコースを回るのをなんとなく「それってどうなの?」って思っていました。
みんなで判を押したように同じところに行って、同じことをして楽しいの?って。
若かったんだなと思います、本当に。
王道は最高です。やり切った感・満足感いっぱいです。
王道になるのは、それだけ万人が楽しいと思えることがしっかりあるから。
通な楽しみ方、ディープな楽しみ方にあこがれていましたが、そもそも私は旅慣れしてないので、王道でもおなか一杯になります。
誰と比べてたんでしょうね。自分が楽しめるなら、王道でも、変化球でもいいじゃないですか。

ようやく緊急事態宣言も解除されました。
解除されたからと言って、密になるような行動はしませんが、適度な距離の保てる、感染対策のしっかりできているところで、楽しんで観光したいと思います。

「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」に行ってきました。

練馬区美術館で開催されている「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」に行ってきました。

www.neribun.or.jp

フライヤーの「電線絵画」の文字が電線でつながっているデザインでかわいいです。

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会期は2021年2月28日から4月18日まで。

始めて練馬区美術館に行きましたが、美術館前の広場にはかわいい動物のモニュメントがたくさん。
小さい子がたくさん遊んでいてとてもほのぼのしてよかったです。
美術館に入らなくても、この広場にいる動物を見て回るだけで十分楽しめそうです。

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内容は12章からなる構成でした。
プロローグ 日本最古の電線絵画
第1章 晴れやか 誇り高き電信柱
第2章 晴れやか 誇り高き電柱-電気の光
第3章 富士には電柱柱もよく似合ふ。
第4章 切通しと電柱-東京の増殖
第5章 帝都 架線の時代
第6章 伝統と電柱-新しい都市景観
第7章 災害と戦争-切れた電線、つなぐ電信線-
第8章 東京の拡大-西へ西へ武蔵野へ-
第9章 ”ミスター電線風景”朝井閑右衛門と、木村壮八の東京
第10章 碍子(がいし)の造形
第11章 電柱 現実とイメージ
第12章 新・電線風景

普段とても身近な電柱と電線。
今回の展覧会では、その電線が日本でどのように始まり、拡大していったのかの歴史が非常にわかりやすかったです。
絵画を楽しむというより、電線の歴史を学ぶのにとても良い本やテレビ番組を見たような気持になりました。
電線がひかれたばかりの頃は、まだ江戸の風景が残っている明治初期。
店の軒先にたなびくのれんや木造の建物、舗装されていない道に着物の人々。そこに電柱が立つ様はおもしろく、この時代の東京を歩けるならどんなに楽しいだろうと思いました。
最初に外国から電線がひかれたのは長崎だったり、日本で初めて碍子を作ったのが佐賀県有田(今の香蘭社)だったり、九州に住んでいたころにも知らなかったことがあり、驚きました。
郵便と電線(送電)が同じ時期に発達し、しばしばペアで画題に描かれていたことも知りませんでした。
作者不詳の国際年賀状(明治25年)には虫食いがあり、よくぞここまで保存してくれたなあと感謝の念がわきました。
伊東新水・川瀬巴水・吉田博の木版画が展示してあり、各々の電線への向き合い方や、技法などを比べることができて、この部分は絵的にもとても好みで、うれしかったです。
碍子も実物がたくさん展示してありました。碍子はマニアの方もいらっしゃるほどその造形が独特でおもしろいです。
電線にまつわる現代美術も展示がありました。坂本トクロウさんの絵画がとてもよかったです。
少し前に開催されていた坂本トクロウさんの展覧会に行けばよかったなあと、ちょっと後悔しました。

電線は、景観を損ねるとして地中に埋められることがある一方、懐かしい気持ちになったり、なんとも不思議な存在だと思いました。
電線を引くことは一大事業であり、その過程に起こった様々な出来事も興味深く、未知のものを取り入れることはいつの時代も大変だなと感じました。
コロナ禍での様々なうわさや報道と重なる部分があり、人間ってこうだよな~かわらないな~と笑えて来ます。